ある母の姿

 5月10日(日)は「母の日」。その「母の日」にちなんで、先日訪れたダッカの難民キャンプで必死に暮らすある女性の話をお届けする。

 彼女の名はサロワー(仮名)、推定40歳。パキスタンからの難民で、ミルプールにあるキャンプ内の6畳程の部屋に旦那と娘三人の家族5人暮らし。ここのキャンプ人口は1,000人を超す巨大なエリアだ。

 ここに来て最初に驚いたのが、玄関が半分地下に埋まっていること。まず地上で靴を脱ぎ、狭い窓のような入口をくぐりながら、漸く部屋に入る。部屋はベッドが2つある程度のシンプルなものだが、予想していたよりも広くてきれいだ。

 話を聞くと、彼女の旦那はしばらく働いていないという。その年上の旦那は見る限りいたって健康そうではあるが、娘三人の養育費も、家計もずっと支えてきたのは母親であるサロワーだ。そしてこれからも彼女は一人で、懸命に家族のために働くのだ。ユヌス氏の本の中で、『貧しい女性は特別な収入があれば真っ先に子供や家計のために使うが、男性は自分のためだけに使う、だからグラミンは女性を支援するのだ。』というような記述があったが、サロワーの状況を見て、妙に納得してしまった。そして彼女の頑張りに、本当に感心させられた。

 現在の彼女の主な収入源はサリー用の布に施す繊細な手刺繍である。パキスタンからの難民はみな手先が器用で、キャンプ内にいくつか手織り機の入った工房や刺繍の作業場があり、若い男女が必至に作業にあたっていた。まさかキャンプ内に生産場所があるとは思いもよらず、一体ここで作られたものはどこで販売されているのだろう?としばらく考えてしまった。きちんとした対価が払われているのだろうか?と心配にもなった。すぐに沢山のことはできないが、近い将来難民キャンプ内で生産された製品をundo3が買取り、海外に販売し、彼らの助けになることができたら・・・と想像は膨らんだ。

 最後に、この番組、ご覧になった方はいるだろうか?10日のNHKBS1、22:10~23:00にて「地球アゴラ海外で奮闘する日本人お母さん」が放送された。
 ダッカ日本人学校に勤めている知人女性が出演されていたのだ。私を含め見逃した方は再放送に期待しよう(汗)

1 Response to “ある母の姿


  1. 1 teurko

    難民が暮らすスラムを訪れたとき、同じような手刺繍の仕事について話を聞きました。そのスラムで活動するMFIの顧客の女性、50代の方の娘さん17歳くらいの女の子ですが、内職として一日かけてサリーに手刺繍をして100タカの収入だそうです。技術がつくまでは近所の人から教えてもらって、技術がついたら収入を得られるそうですが、いくら技術があがったとしても、100タカ以上の収入にはならないそうです。100タカといえば、1ユーロ程度、一日中作業してそんなもんか、とため息がでました。

    それでも、仕事がないよりはましなのかもしれないし、現地の市場で売れる価格にするには100タカが限度なのかもしれませんが、そのあたりは事情がわかりませんでした。

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